「発表会の照明案の書き方は?」
「照明の色について詳しく知りたい!」
今回は、このような疑問について解説していきます!
照明案の書き方がわからない!
発表会や公演前に必要になってくるのが照明案!
でも、どうやって書いたらいいのかわからないという声もよく聞きます。
照明は、頑張って作った作品に最後に魔法をかけてくれる存在!しっかり要望を伝えられると良いですよね。
そこで本記事では、舞台照明として働いた経験がある筆者が、ダンサーや指導者が知っておくと便利な舞台照明の知識、今回は色について詳しく紹介していきます!
舞台照明における色について、また、その色によってどんな効果があるのか。
感情やイメージと色の関係性についても紹介していきます!
筆者について
この記事を書いている筆者はダンス歴21年!
ダンサーとして、小中大規模の劇場からアリーナ級のホール、野外やライブハウスまで、様々なステージを経験してきました。
また裏方スタッフとして、照明や音響・舞台監督・受付や子供たちのサポート等、舞台全般に関わる仕事を10年以上経験しています。
ダンサーとしても、舞台照明としても仕事をしてきた筆者が、ダンサーが最低限知っておくと便利な舞台照明の基礎知識をお伝えしていきます!
そもそも舞台照明って?
舞台照明は、舞台を光と闇によって演出する照明技術の事をいいます。
この時使用されている、照明機材や調光用の装置、設備などをまとめて「舞台照明」と呼びます。
また、舞台照明に関わる人たちの事を「舞台照明家」と呼びます。
照明の色について
ダンス発表会での照明を考える時、まずイメージするのは照明の色ですよね!
光の色というのは、色そのもの・組み合わせによって、色々な効果を生み出します。
効果的に使うことによって、ダンスや動きがより活きてきます!
舞台照明における光の三原色
色の三原色という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
絵の具などでは「シアン・マゼンタ・イエロー」によって様々な色が作られます。
舞台照明で使われる光の三原色というのは「赤・青・緑」です。
絵具などの色の三原色は、色を混ぜれば混ぜる程黒になるのに対し、光の三原色の場合は逆に色が無くなります。
また、光では黒を作ることができませんので、照明案を書く際は注意が必要です。
意外と「黒」っていう照明要望は多いんです!
色の種類
では、ここからは大きなカテゴリでの色を見ていきましょう。
照明における色は、大きく分けて3つのカテゴリに分けられます。
カテゴリによって、表現したいイメージや感情が変わってくるので、名称だけでも覚えておくと、照明案を書く際に便利です。
また、カテゴリごとのメインの色と、一緒に使用するとより効果的な色も併せて紹介します。
3つの名称とはコチラ
- 暖色
- 寒色
- 中間色
順番に紹介していきます。
暖色
【明るい・元気な・温かみのある・情熱的な】
こんなイメージを表現したい時は、暖色を選ぶと効果的です。
色の三原色の中では、赤を多めに使った色が多いです。
ただ赤だけでは単調なので、【オレンジ・黄色】などの温かみのある色を一緒に使うのも効果的。
寒色
【悲しい・クール・冷静・清涼感・神秘的】
こんなイメージを表現したい時に最適なのが、寒色です。
光の三原色の中では、青をベースにした色は多いです。
青だけでは単調になってしまう場合には【水色・紫・緑】などを組み合わせても効果的です。
中間色
暖色と寒色を合わせることによって、より舞台に変化を出すことができます。
原色(赤・青・緑)ばかりの舞台では、見ていて目が疲れてしまいますし、面白みに欠けるもの。
そこで、暖色・寒色のイメージにプラスしてあげることで、より効果が出てきます。
色ごとの効果
色には、それぞれ効果があります。
感情やイメージとリンクすることが多いので、それを知ることでダンスで表現したいイメージをより観客に伝えることができます。
ここからは、色と、その色の持つイメージや、その色を見た時に抱く感情の例を紹介していきます。
赤
感情→情熱・怒り・奮闘・エネルギッシュ
情景→炎・夕暮れ
青
感情→悲しみ・ネガティブ・寂しさ・神秘性・クール・冷静・清涼感
情景→雨・海・夜
緑
感情→リラックス・エネルギー・神秘性・ホラー
情景→自然・静けさ
オレンジ
感情→喜び・元気・明るさ・若さ・温かさ・ポジティブ・朗らか
情景→夕暮れ・情熱
水色(シアン)
感情→さわやか・青春・寂しさ・悲しみ
情景→涼しさ・夏のさわやかさ・青空・海・風・雨
マゼンタ
感情→女性的な・ドキドキする
情景→セクシー・夢・幻
パープル
感情→神秘性・不穏・ホラー・クール
情景→夢・幻
ピンク
感情→優しい・可愛い・女性的な
情景→夢・幻
黄色
感情→元気・若さ・ポジティブ・明るい・エネルギッシュ・パワフル・喜び
情景→光・太陽・電気・雷
似た色を組み合わせる
似た色同士を組み合わせてあげることで、まとまりをもたせながらも変化をつけることができます。
例えるならば
- 赤とオレンジ
- 緑と黄色
- 青と紫
このような組み合わせだと、舞台にまとまりと安心感が出ます。
あえて反対の色を組み合わせる
あえて補色同士を組み合わせてあげることで、お互いの色を引き立たせるという効果もあります。
曲調が変化した時や、ガラッと雰囲気を変えたい時には、メインの色を使用しながら補色となる色を足してあげたりすると良いでしょう。
例えるならば
- 赤と緑
- 青とオレンジ
- 黄色と紫
このような色を使ってあげると、メインの色をより引き立たせる効果があります。
衣装の色にも気をつけよう
舞台照明では、衣装の色がとても大切です。
実際、照明プランナーさん(照明家)は衣装の色を見ながら、照明の色や光量を細かく調整してくれているんです。
そのため、スタッフ下見や舞台でのリハーサル・ゲネプロなどでは、本番と同じように衣装を着用するようにしましょう。
提出した照明案と実際が大きく違う場合
しっかり照明案を書いて提出していても「舞台でのリハーサルで照明と合わせてみたら全然違う!」という事もあるかもしれません。
その場合考えられるのは
- その劇場では不可能な演出だった
- 発表会全体の予算的に不可能な演出だった
- 衣装などと合わせた場合の最適解にしてくれた
- そもそも、光では表現が難しい要望だった
- 照明プランナーの勘違いや確認ミス
など、様々な理由が考えられるでしょう。
その場合は、その場や休憩中に照明さんに相談してみると良いと思います。
単なる伝達ミスや勘違いが理由ならばきっと修正してくれるでしょうし、もし劇場の構造や予算・衣装・機材が理由ならば説明してくれると思います。
照明さん側としても、要望はできる限り叶えたいのが正直な気持ち!
きっと、その時にできる最大限でベストを尽くしてくれていますので、疑問があればタイミングを見て質問してみると良いと思います。
さいごに
「発表会の照明案の書き方は?」
「照明の色について詳しく知りたい!」
今回は、このような疑問について解説してきました。
照明案の書き方については、別の記事でも紹介しています。
どうやって照明案を書いたらいいのかわからないという方は、併せて読んでみてください!