「太宰治作品が読みたい!」
「太宰治の名言・名文は?」
今回はこのような方に向けて、おすすめの作品を紹介していきます。
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太宰治とは
太宰治は、1909年~1948年という激動の日本に生きた小説家です。
共産主義活動から挫折した後、遺書のつもりで27歳の時に「晩年」を執筆。
その後も自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも次々に作品を発表していきました。
太平洋戦争に向かう時期から戦争末期までの激動の時代において、一切の妥協を許さない執筆活動を続けてきました。
そして38歳の時、愛人との入水自殺でその生涯を終えました。
太宰治の綴る言葉の魅力
太宰治作品の魅力とえば、何といってもその独特の暗さでしょう。
度重なる自殺未遂や薬物中毒、また女性関係など、スキャンダルの多い人物だった太宰治。
そんな彼の作品には、自分の見栄や欲、ネガティブな部分など、人間の負の側面をさらけ出した表現が多くみられるのが特徴です。
自分では消化しきれないネガティブな面。
そんな、誰しもが持っているだろうそんなやり場のない感情を、太宰治は代弁してくれているような気がします。
太宰治の名言・名文と出会えるおすすめ本15選
ここからは、筆者がおすすめする太宰治の名言・名文を、作品と共にご紹介していきます。
おすすめ1:斜陽
人は、この世に生まれてきた以上は、どうしても生き切らなければ、
太宰治「斜陽」より
この人たちのこの生き切るための姿も、憎むべきではないかも知れぬ。
生きていること。生きていること。
あぁそれは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。
おすすめ2:パンドラの匣
僕たちは命を、羽のように軽いものだと思っている。
太宰治「パンドラの匣」より
けれどもそれは命を粗末にしているという意味ではなくて、僕たちは命を羽のように軽いものとして愛しているという事だ。
おすすめ3:女生徒
死んで、いなくなる、ということは、理解できにくいことだ。
太宰治「女生徒」より
腑に落ちない。
おすすめ4:人間失格
自分には幸福も不幸もありません。
太宰治「人間失格」より
ただ、一切は過ぎて行きます。
自分が今まで阿鼻叫喚で生きて来た
所謂『人間』の世界に於いて、
たった一つ、真理らしく思はれたのは、
それだけでした。
ただ、一さいは過ぎて行きます。
おすすめ5:竹青
人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならぬものです。のがれ出る事は出来ません。
太宰治 「竹青」より
忍んで、努力を積むだけです。
もっと、むきになって、この俗世間を愛惜し、愁殺し、一生そこに没頭してみて下さい。
おすすめ6:粋人
ものには堪忍という事がある。この心掛けを忘れてはいけない。
太宰治 新釈諸国噺「粋人」より
ちっとは、つらいだろうが我慢をするさ。
夜の次には、朝が来るんだ。
冬の次には春が来るさ。
決まり切っているんだ。
おすすめ7:古典風
なぜ生きていなければいけないのか、その問に悩んで居るうちは、私たち、朝の光を見ることが、出来ませぬ。そうして、私たちを苦しめて居るのは、ただ、この問ひとつに尽きているようでございます。
太宰治「古典風」より
おすすめ8:葉
安楽なくらしをしているときは、絶望の詩を作り、ひしがれなくらしをしているときは、生のよろこびを書きつづる。
太宰治「葉」より
おすすめ9:正義と微笑
偉い人物になれ!
太宰治「正義と微笑」
と小学校の頃からよく先生たちに言われて来たけど、あんないい加減な言葉はないや。何がなんだか、わからない。馬鹿にしている。全然、責任のない言葉だ。
おすすめ10:津軽
大人というものは侘しいものだ。
太宰治「津軽」より
愛し合っていても、用心して、他人行儀を守らなければならぬ。
なぜ、用心深くしなければならぬのだろう。
その答は、なんでもない。
見事に裏切られて、赤恥をかいたことが多すぎるからである。
おすすめ11:もの思う葦
私は、はかなくもばかけたこの虚栄の市を愛する。
太宰治「もの思う葦」より
私は生涯、この虚栄の市に住み、死ぬるまでさまざまの甲斐やき努力をしつづけて行こうと思う。
おすすめ12:かすかな声
甘さを軽蔑する事くらい容易な業は無い。
太宰治「かすかな声」より
そうして人は、案外、甘さの中に生きている。
他人の甘さを嘲笑し1ながら、自分の甘さを美徳のように考えたがる。
おすすめ13:或る忠告
責任が重いんだぜ。わからないかね。
太宰治「或る忠告」より
一日一日、責任が重くなっているんだぜ。
もっと、まともに苦しもうよ。
まともに生き切る努力をしようぜ。
明日の生活よりは、きょうの没我のパッションが大事です。
おすすめ14:如是我聞
ためになる。
太宰治「如是我聞」より
それが何だ。おいしいものを、所謂「ために」ならなくても、味わなければ、何処に私たちの生きている証拠があるのだろう。
おいしいものは、味わなければいけない。
おすすめ15:虚構の春
ああ、不足なり。不足なり。
太宰治「虚構の春」より
月よ。汝、天地の美人よ。月やはものを思わする。
さいごに
「太宰治作品が読みたい!」
「太宰治の名言・名文は?」
今回はこのような方に向けて、おすすめの作品を紹介してきました。
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