「子供のダンス発表会、保護者が気をつけることは?」
「劇場でのルールやマナーを教えて!」
今回は、このような疑問について解説していきます。
発表会が行われるような劇場やホールって、普段なかなか馴染みがなく、不安に思う方も多いと思います。
そこでこの記事では、保護者が知っておきたい劇場ルールやマナーをご紹介していきます。
筆者はどんな人?
この記事を書いている筆者はダンス歴21年!
ダンサーとして、小中大規模の劇場からアリーナ級のホール、野外やライブハウスまで、様々なステージを経験してきました。
また裏方スタッフとして、照明や音響・舞台監督・受付や子供たちのサポート等、舞台全般に関わる仕事を10年以上経験しています。
劇場・ホールの表から裏まで経験してきた筆者が、保護者が最低限知っておくべき劇場のルールやマナーをご紹介していきます。
劇場の事を知っておいた方が良い理由
子供の発表会には、保護者のパパ・ママたちのバックアップが不可欠です。
本番は客席で見れるという場合もありますが、送り迎えやお手伝いなど、楽屋や舞台裏への出入りをしなければならない場合が多いものですよね。
でも劇場はルールの多い場所。
本来は、出演者以外が気軽な気持ちで入るべき場所ではありません。
舞台袖には大道具や高価な機材、危険な器具も多く、外部の照明・音響・舞台スタッフさんも沢山いるプロフェッショナルな場所です。
実際に技術スタッフをしてたからこそ、危険が多い場所だと痛感しています。
そんな特別な場所だからこそ、数年に1度しかできない貴重な1日を安心して過ごせるように、保護者の方も最低限の知識を持つことはとても大切だと筆者は考えています。
保護者が知っておきたい劇場ルール・マナー
ここからは、子供の発表会の際に知っておくと便利な劇場ルールやマナーについて項目ごとに分けて紹介していきます。
また服装や持ち物など、あったら便利なものも紹介します!
ステージ編
まずは、ステージ関係のルールやマナーから見ていきましょう!
①上手と下手
客席にいる時とステージにいるときでは、左右の呼び方が通じません。
例えば、客席から見ている先生が
○○ちゃん、もう少し右にいって!
と言っても、○○ちゃんにとっての右は先生にとっての左なので…
先生から見て右?
それとも自分にとっての右ってことかな?
というようになってしまうので、ステージにおける左右の言い方は難しいですよね。
そんな時知っておきたいのは、劇場での「左・右」は「上手・下手」と呼ぶこと。
写真のように、自分が客席から舞台を見ているなら「左が下手」「右が上手」
逆に自分がステージから客席を見ているなら「左が上手」「右が下手」となります。
まず覚えておきたい劇場での常識です!
②舞台袖
ステージの両端にあるカーテンのようなものを袖幕と言います。
上手・下手それぞれについていますね!
出演者がステージに出る際に待機している所がお客さんから見えないようにしています。
この出演者が待機している場所の事を「舞台袖」と呼びます。
小学生クラスは下手袖に待機させてください!
というように、先ほどの上手・下手と合わせて「上手袖」「下手袖」のように使う事が多いです。
保護者も立ち入ることがありますので、知っておくと便利です!
また、袖幕は天井から吊るしてあるとっても重い布で、落ちてきたら事故になってしまいます。
触ったり引っ張ったりするのは絶対NG!
また、袖付近にある照明機材もとっても危険。
点灯中はかなりの高温になるため、衣装が溶けたり火傷してしまう可能性もありますので、絶対に触らないように注意しましょう。
舞台袖に入る保護者の方は、子供たちの行動に注意しましょう!
③見切れ
舞台袖で子供たちが待機している時、ステージに近づきすぎてしまうと、お客さんに見えてしまいます。
これを「見切れ」と言います。
見切れてしまうと、せっかくステージで頑張っている仲間の邪魔をしてしまうことになりますよね。
舞台袖に入る保護者の方は、見切れが起きないように子供たちをしっかり見張りましょう!
スマホで写真を撮っているママが見切れていて、残念な気持ちになった事もあります…
④舞台袖に入る場合の服装
基本的に、スタッフは黒い服装がベストです。
舞台袖に入る保護者の方は、子供がステージで何かあった時は助けに行かなければなりません。
その他、トラブルがあった時にはステージに出なければいけない可能性があります。
そのためにも黒い服装にするのがベストです。
ジーパンに黒Tシャツやニットなどで大丈夫です。
また、舞台袖の音は客席まで響くので、ヒールなど音の出る靴は避けた方が良いです。
大きなカバンは持っていけないので、貴重品をショルダーバックなどにまとめておくと良いでしょう。
何かトラブルがあっても対応できるよう、身軽でいられるように心がけましょう!
楽屋編
続いて、楽屋でのルールやマナーについてもご紹介していきます。
楽屋は子供の送り迎えなどで、朝や終演後に保護者の皆さんが立ち入ることが多い場所。
お手伝いの保護者も、楽屋周りでのお仕事が多いと思います。
①楽屋へ子供を送迎する際のマナー
楽屋は出演者が準備をする場所。
最初から最後まで慌ただしく、人の出入りも多いです。
また、楽屋の数は劇場によって違いますし、数に限りがあるもの。
もしかしたら、1つの楽屋を複数のクラスで兼用する、なんてことも少なくありません。
送り迎えの保護者の方は、ボーっとしてると他の方の邪魔になってしまいます。
用事がある時以外は、なるべく楽屋に居座らないことが鉄則!
楽屋に子供を送り届けた後は、名残惜しいですが速やかに楽屋から離れるのが1番ベストな対応です。
廊下に居る場合も、他のクラスの方や技術スタッフさんの迷惑にならないよう周りに気を付けましょう。
②楽屋お手伝い係の場合
楽屋お手伝いになった場合は、先輩の保護者さんにやることを聞いて、ベストを尽くしましょう。
時間が無い中でのヘアメイクや衣装替えが行われる楽屋は、殺気立っていることが多いです。
またいつもと違う環境ですから、テンションがぶち上がって騒ぎ、走り回ってしまう子供も少なくありません。
劇場の構造にもよりますが、楽屋や廊下の声は客席まで響いてしまうことも…
子供たちを静かに待機させることも、楽屋の保護者さんたちの大切なお仕事です。
スムーズに発表会が進行するように、子供たちのケアをしてあげましょう。
③楽屋での服装
楽屋お手伝いの保護者さんのお仕事内容は、主にメイクやヘア・お着換えになると思います。
まず身軽な恰好でいるようにしましょう。
楽屋によっては畳やカーペット張りのところもあり、土足厳禁という場合もあるので、着脱しやすく動きやすい靴にした方が良いと思います。
貴重品は小さくまとめ、ショルダーバックなどで身につけておくと良いでしょう。
また、メイクなどが洋服についてしまうこともあります。
そのため、エプロンを付けて作業する保護者の方が多いです!
楽屋使用後は、メイクの汚れや大きなごみが無いか、忘れ物がないかしっかり確認し、原状復帰を目指しましょう。
最後に楽屋を確認するのはお弟子さんや先生方。
少しでも負担を減らしてあげられるようにしたいですね。
客席編
続いて、客席で発表会を鑑賞する際に気お付けたいことをご紹介します。
①客席でのマナー
客席でのマナーは、どこの劇場でも同じです。
公演中はスマートフォンの電源をオフにして、スマートウオッチの通知や光量にも気を付けましょう。
なぜスマートフォンの明かりに気を付けたいかというと…
発表会には、専門のカメラマンや映像さんが入ってくれる事が多いと思いますが、スマートフォンの強い光はその邪魔になってしまいます。
それに照明さんはちょっとの光にも敏感です。
素敵な発表会にするためにも、本番中やリハーサル中は、客席でのスマートフォンやスマートウオッチの明かりには気を付けたいですね。
基本的には、映画館でのマナーと同じと考えていいでしょう◎
②客席での服装
客席で鑑賞するからといっても、小さいお子さんのパパ・ママは、動きにくい服装は避けた方が良いと筆者は思っています。
子供にはいつ何があるかわかりません。
急に体調を崩したり、本番中にケガをすることが無いとは言えません。
実は筆者もリハーサルで大きめのケガをしたことがあります。
初めての発表会でケガをしてしまった筆者…
筆者は初めての発表会の際、リハーサル中に照明機材で足を切ってしまったことがあります。
踊りながら血がダラダラ出てきてしまい、袖に戻って保護者に報告。
その後客席でリハーサル見学をしていた母が飛んできて、応急処置をして本番を迎えました。
本番後は早めに劇場を後にし、母に担がれながら病院へ…
非常に恥ずかしく、10歳の頃ではありますがダンサーとして情けない経験です。
こんなことも無いわけではないので、例えばママなら高いヒールやロングスカートは避けるなど、客席にいる保護者の方も、何かあったら動けるようにしておくと安心でしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
「子供のダンス発表会、保護者が気をつけることは?」
「劇場でのルールやマナーを教えて!」
今回は、このような疑問について解説してきました。
楽しい楽しい発表会。
でも、劇場という場所は危険が多く、ルールを守らないと思わぬトラブルを起こしてしまう可能性があります。
そして、自分たちのお教室やスタジオのメンバーだけではなく、沢山のプロフェッショナルなスタッフさんの力添えがあってこそ実現できる貴重な1日です。
ぜひ保護者のみなさんは、この投稿を参考にしてみてください。
皆さんの関わる発表会が、一生思い出に残る素敵な経験になるよう願っています!